【書評】『シン・ニホン』(安宅和人) を要約【日本は可能性の塊】

書評

・シン・ニホンという本に興味がある

・買ってみたいけど分厚すぎて失敗したらイヤ

・読んだけど簡単に要約してほしい

そんな声にお応えします。

最近「シン・ニホン」という本を読んだのですが、かなり衝撃を受けました。

ファクトフルネス」を読んだ方は自分が世界について何も知らないということを理解したと思います。
一方本書は自分が日本について何も知らないということを理解させられます。

ですが、「世界も自国である日本ですらも知らない人」と落ち込む必要はありません。

むしろ、知らないことを知れたことが最大の成長につながったと自負しています。

そんな本書「シン・ニホン」では著者の安宅和人さんが日本を痛烈に批判しており、読みごたえがあります。

日本の大半の産業はやるべきことをやってないだけで、まだ着手できていない宿題がたくさんある。
(中略)
伸びしろだらけと言っていい。

作中では直接的に日本をダメだと批判しているわけではなく伸びしろがあると表現しています。

では日本のどこがダメでどう伸ばしていくべきなのでしょうか。

この記事で解説していこうと思います。

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本の概要

著者:安宅和人さんについて

本書の著者安宅和人さんの経歴は以下の通り。

・東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了

・マッキンゼー入社

・イェール大学脳神経科学プログラムに入学

・ヤフーCSO

・慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特任教授

ししとう
ししとう

一言でいえば「超人」です。

そんな安宅和人さんについて以下著書で知っている方もいるかもしれません。

こちらも有名なのでぜひ読んでみてください!

本書の目次

本書の目次は以下の通りです。

本書の目次

1章:データ×AIが人類を再び解き放つ
   -時代の全体観と変化の本質

2章:「第二の黒船」にどう挑むか
   -日本の現状と勝ち筋

3章:求められる人材スキル

4章:「未来を創る人」をどう育てるか

5章:未来に架けられる国に
   -リソース配分を変える

6章:残すに値する未来

日本はなぜこんなにもダメなのか

本書では日本は伸びしろだらけと表現していますが、以下に日本のここが伸びしろだらけ(ダメ)と書いているポイントを列挙します。

・全く変化しない生産性

・リソースが配分されていない計算機科学分野

・極端に出遅れているデータ×AI分野

順に解説します。

全く変化しない生産性

世界的に一気に生産性が高まってきたこの15年余り、日本だけが大きく伸ばせなかったことだ。我が国は半ば一人負け、もしくはゲームが始まったことに気づいていないと言ってもよい状況にある。

生産性に巨大な伸びしろがあると本書では書いていますが、現状の日本の産業別生産性はフラッグシップである「電機・情報通信機器」「クルマ」ですら、他の主要国と比べて1位ではありません。

なぜ「伸びしろだらけ」に甘んじているのか、その理由として以下3つを挙げています。

・3世帯に1つの貯蓄ゼロ

・男性の家事育児労働時間の少なさ

・65歳で伐採されるシニア層

3世帯に1つの貯蓄ゼロ

貯蓄がどう影響しているの?

やる気や才能があるのに環境を理由にきちんと発揮されずに埋もれている可能性があるということを示しています。

男性の家事育児労働時間の少なさ

男性の家事育児時間が少ないということは働いているということでは?

男性が働いているのは間違いないが、むしろ働きすぎています。

しかも、男性の家事育児時間が少ないということは女性が代わりに家事育児をしているということになり、女性の働く機会を強引に奪っているとも捉えることができます。

未来を生み出したいのであればジェンダー平等こそが最初に手を付けるべきポテンシャルの一つだ。

65歳で伐採されるシニア層

豊富な経験値でまだまだ働ける状態にある中、定年という理由で会社を去らなければいけないことは可能性を極端に狭めていると著者は言っています。

老害を置いておくよりはいいだろうという意見もありますが、そもそも老害を定年でしか吐き出せないことが問題ということです。

その解決方法として以下の実現が可能性を広げることにつながります。

・労働時間ベースではなく、価値ベースの給与水準

・週1日や二日等、多様な仕事の仕方

等々

具体的な例としてはロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイの『マイ・インターン』をおすすめします。

リソースが配分されていない計算機科学分野

一言でいえば、「ちゃんとやろうよ」ということだ。

二つ目の伸びしろだらけなポイントは今世の中を変えている分野でもある計算機科学分野の極端な出遅れです。

計算機科学分野の大学ランキングでは日本の大学はトップ100にもランクインしておらず、東京大学が135位という惨憺たる状況です。

他の分野ではトップ50位以内に数多くランクインしていることから計算機科学分野に才能とリソースが流れ込んでいないことが分かります。

安宅さんが「ちゃんとやろうよ」と言いたくなるのもわかりますよね。

極端に出遅れているデータ×AI分野

一言でいうならば、「日本の若者たちは持つべき武器を持たずに戦場に出ていってている」のだ。

日本はデータ×AI分野ではかなり出遅れています。

その理由として以下3つのポイントを押さえられていないからです。

・ビックデータが取得でき、様々な用途に使えること

・圧倒的なデータ処理力を持っていること

・データを扱えるサイエンティストやエンジニアがいること

ビックデータが取得でき、様々な用途に使えること

最も大きなデータを生んでいるのがスマホ上のインターネットです。

その中でも検索、コマース、ソーシャルからのデータには膨大な情報が含まれています。
しかし、残念ながら日本の企業はどのデータ量でも勝負になっていません。

ヤフーや楽天は日本ではトップクラスですが、GoogleやAmazonに比べると利用者数は一桁足りないといった状況です。

圧倒的なデータ処理力を持っていること

処理力はデータのコストが安ければ安いほど高い。

データのコストは以下2点で成り立っています。

・通信帯域コスト

・電気代

しかし、日本の産業用電気代は米国よりも5~10倍、中国はその米国よりも格段に安いといわれており、全く勝負になっていません。

データを扱えるサイエンティストやエンジニアがいること

日本のICTエンジニアの数は米国や中国、インドにも負けてます。

その背景として、以下の2つが影響しています。

・理数教養のある学生の割合が少ない

・データサイエンスの関する学位取得プログラムが少ない

文系学問を非難しているわけではなく、文系進学者の多くが理数系の訓練をほとんど受けない教育プログラムに問題があることを言っています。

これでは持つべき武器を持たずに戦場に出ているといいたくなるものわかりますよね。

日本の勝ち筋は?

今の日本は、データ、利活用、処理力、人・・・いずれの視点でも勝負になっていない。

と痛烈に批判しているが、ではどうすればいいのか。

ここで大切なのが日本の強味である妄想力と言っています。

小さいころからアニメや漫画で培ってきた妄想力は新しいテクノロジーを切り開く可能性があります。

そこで安宅さんは以下4つの勝ち筋があるとまとめています。

・すべてをご破算にして明るくやり直す

・圧倒的なスピードで追いつき一気に変える

・若い人を信じ、託し、応援する

・不揃いな木を組み、強いものを作る

順に解説します。

すべてをご破算にして明るくやり直す

ゼロベースが板についている国と言える。

ご破算にしたことやなってしまったことに対してグチグチ言わず徹底的にやり切るという点を日本の良さだと言っています。

圧倒的なスピードで追いつき一気に変える

キャッチアップのスピードは日本らしさであり、日本の芸風といえる。

日本は仏教然り物理学然り、発端や誕生が日本ではない分野に対し、驚異的なスピードで本家を超え、新しく作り替えることを今までしてきました。

この強みで何かを仕掛けるときにものすごく役に立ちます。

若い人を信じ、託し、応援する

日本の素晴らしさは、本当に困ってしまった時は若い才能を信じ、託す力だ。

本書では江戸開城の際や後のソニーとなる東京通信工業の立ち上げ時に今では考えられないような若者が立ち会った例を挙げています。

こういった未知なる変化が生じる際に若い人に力と夢を託すのは伝統である、
この伝統を今後も活かしていきたいと安宅さんは語っています。

不揃いな木を組み、強いものを作る

欲しい物そのものがなくとも、不揃いの素材のよさを活かし、それを組み上げ、全体として美しいものを作り上げる力だ。

これは日本のインテリアや空間デザインが特に優れていることを表しています。

異なるテイストのものを組み合わせる力はデータ×AI時代に欠かせない強さになってきます。

 

これらの4つの勝ち筋を考えると、日本もまだまだいけるのではないかと、余裕で追いつくことが可能ではないのかと感じさせられますよね。

【書評】『シン・ニホン』(安宅和人) をレビュー|まとめ

今回は『シン・ニホン』をご紹介させていただきました。

本書は内容が濃く、この記事で紹介した部分もほんの一部です。

ですが、本書の帯にあった「この国は、もう一度立ち上がれる。」という言葉が表している内容には触れています。

興味がありましたら、ぜひとも読んでください!

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