今回は久々本の紹介になります。
紹介する本は東野圭吾さんの「怪しい人びと」
この本は1993年に書籍化されましたが、なぜこんな古い本を紹介するのかと言いますと単純に2020年3月に文庫化されたからです。笑
小説はよく読むのですが、移動中に読むことが多いためハードカバーやソフトカバーで読むのがあまり得意ではなく基本文庫化されてから買うようにしています。
今回の作品は短編集なので時間がない方にも読みやすいと思いますよ!
あらすじ(ネタバレなし)
では簡単なあらすじから。
◆寝ていた女
同僚に部屋を1日貸すというアルバイトを始め、毎週のように部屋を誰かに貸していた主人公だが、部屋にかえるとそこには知らない女性が。。
借りた同僚も知らないというその女性の正体とは。
◆もう一度コールしてくれ
大金が手に入るという誘いを受けてツレと強盗を企てるが結局、近隣住民に通報されて逃げる羽目に。
ただ、主人公が誘いに乗った理由はターゲットの家がある人物の家の近くだったのだ。
主人公の目的とは。
◆死んだら働けない
仕事で気になることがあれば土日も使いスッキリさせるまでとことん詰め込むまじめな係長がある朝、休憩室で死んでいた。
なぜ休憩室で死んでいたのか。
◆甘いはずなのに
交通事故で妻を亡くし、最近も娘を失った主人公が再婚を果たし、新婚旅行でハワイへ。
しかし、主人公はある疑念があり心から楽しめない理由があった。
◆灯台にて
幼馴染との関係を払拭しようと自分を変えようと一人旅を決意する。
しかし、幼馴染がそれを知り幼馴染も同じく一人旅をすることになる。
そこで主人公が訪れた灯台である灯台守に会い、、、
◆結婚報告
ある日、主人公の友人から結婚報告が届く。
と、そこには全く見ず知らずの女性の写真が同封されていた。
おかしいと思い本人に問い合わせするも連絡がつかず。
気になって調査し始めると。。
◆コスタリカの雨は冷たい
カナダで海外勤務している主人公に、帰国命令が出る。
最後にせっかくだから旅行しようコスタリカに行くことを決める。
そこで強盗に合う羽目に。。
感想(ネタバレ含みます)
ここからはネタバレ込みで感想を書いていこうと思います
◆寝ていた女
東野圭吾らしいコメディ要素が含まれた話でした。
最初は同僚一人に貸していたのですが、その話を別の同僚が聞き、次から次へと。。とよくある金欠主人公の心情がとてもリアルで面白かったです。
ここでいう怪しい人はもちろん女性もそうですが、主人公の部屋を借りていた同僚たちも含まれますよね。
その怪しい人の中から犯人を見つけ出すところはさすが推理小説作家のカラクリでしたね。
◆もう一度コールしてくれ
個人的にはオチが少し物足りなかったですね。
”手が離れたからアウト”とそんな普通のことを言われても。。と主人公に同情します。
まあ、主人公は何かと最後の詰めが甘いというところにつながるわけですが。
◆死んだら働けない
何か訴えかけるようなものがありました。
まじめに取り組んだからこそ招いた自身の死もやはり最後は死んだらそこでおしまいになってしまう。
◆甘いはずなのに
個人的には1番好きな話。
出てくる老夫妻も妻(尚美)もいい人すぎかよ!
本気で妻(尚美)が主人公を愛していることが伝わり、苦しんでいる主人公だからこそこういう方でよかったと思いました。
このタイトルも完璧ですね。
◆灯台にて
まさかのゲイとは(笑)
しかもカッとなって殺してしまうとは。
その結果、同級生の一生ぬぐえない弱みを握ることになり今でもいい関係は続いているそうで。笑
これも終わり方に含みがあり面白かったです。
◆結婚報告
あらすじからは深刻な事件に巻き込まれてそうな雰囲気ですが、そこまで重たくはないです。
事件には巻き込まれるわけですが、殺されるのがそこまで関係の深い人物でもなければ犯人も特に関係が深い人物でもありません。
比較的読みやすい話だと思います。
主人公と友人の関係が面白いので学生時代などの話も出てくると面白いかもですね。
◆コスタリカの雨は冷たい
最後にふさわしいほっこりする終わり方でした。
これに登場する旅行先の人物が軒並み怪しいという(笑)
女弁護士も同僚もタニヤおばさんも優しくて何よりです。
まとめ
以上、「怪しい人びと」についてご紹介しましたが、東野圭吾らしいカラクリとコメディ要素の混じった話が多く、簡単に読むことができました。
また新しい文庫がでましたら紹介したいと思います。
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